お休みの日、隣の部屋でのんびりと眠っていたはずのかりん。
鞄を用意したり、お化粧を始めたり、出掛ける母さんの気配を察知したらしく
カツカツと足音を立てながら、慌てたように部屋へやってきました。
当然、自分も一緒にお出掛けだと思っているらしく、部屋の入り口に寝そべり
目だけは母さんのお出掛け準備の進捗状況しっかりチェック。

あんまりグズグズしていると、母さんの周囲をグルリと回って鼻先で脚をツンツンし
「早く、早くっ!」とプレッシャーをかけてきます。
玄関で寝そべりながら待っていることもありますが
こうして、母さんのそばでさり気なく…でも、しっかりと見張りながら待つことも。
この無言のプレッシャーは、かなり効果的です。
寄り道
いつもは、そこで左に曲がって家へと向かう交差点。
ちょっとだけ冒険してみようと思い、真っ直ぐに進んでみることにしました。
少し走ると目の前がパッと開け、川沿いの土手に植えられた薄桃色の桜と
こんもりとした見事な雪柳が出迎えてくれました。

車を止めて降りてみると、川沿いに下りられるように整備され
青々と茂った草原が広がっていました。
勿論、かりんは初めての場所に大喜びで、ひたすら爆走。
おまけに、えもいわれぬ素敵なニオイを見つけたらしく
ひっくり返って、そのニオイを身体にこすりつけておりました。

桜の花は満開を少し過ぎているようで、時折ふぅ~っと吹く風に
かりんの足元にもパラパラと花びらが舞い落ちました。
もう少しすると、桜の花びらの絨毯ができそうです。

時には、いつもの道から少し逸れてみるのも良いものだと
そんなことを思った昼下がりでした。
かりんと一緒だと、そんな風に思える母さんでした。
チビッコわんわん
大事そうに抱えながらお母さんごっこをしているかのように見えた、ぬいぐるみ。
かりんと母さんの間では、“チビッコわんわん”と呼ばれていました。
遊びがエスカレートしないうちに、早々に取り上げていたこともあって
奇跡的に、無傷な状態で現在に至っておりました。

が・しかし、ちょっと目を離した隙に…やってくれました。
プラスチックでできた小さなお鼻が無残にも、もぎ取られていたのです。
お鼻がバッカ~ン☆と、飛んで行ったみたいになっちゃった、チビッコわんわん。

母さんも、このチビッコわんわんの顔を見ると何とも不憫でなりません。
やはり、かりんにお母さんごっこは無理だったみたいね。
【番外】
チビッコわんわんのお鼻は見つからず、どうやらかりんが食べてしまったようです。
大きさからすると、ウンチと一緒に出てくれるはずだという希望的観測のもと
ビニール袋の上から手で触るという、怪しげな検分が始まりました。
そして、4回目だったでしょうか?無事にお鼻がお出ましになりました。
はぁぁ…本当に良かった、本当に。
満開の桜
先日の日曜日、素晴らしいお花見日和となりました。
「どこへ桜を見に行こう?」…と悩んだ挙句
いわゆる名所ではなく、知る人ぞ知る桜を見に行きました。

よく出掛ける港の公園への道中にある
小学校の敷地内に植えられた大きく立派な桜の樹たちです。
毎年、「見事だなぁ~」と車中から眺めるだけでしたので
今年は車を止めて、そばへ行ってゆっくりと眺めました。

この桜の樹は、ここでずっと子供たちを見守ってきたのでしょう。
そして、ここから巣立った沢山の子供たちも
桜の季節がやってくる度に、この桜を懐かしんでいることでしょう。
桜の樹の下には…数え切れないほどの思い出が埋まっているに違いありません。

桜を見上げていた目をかりんへと戻すと、落ちていた桜の花を見つけていました。
クンクン&スンスンとひとしきり匂った後で、パクッと食べてしまいました。
ご多聞にもれず「花より団子」のかりんですが、何も花を食べなくっても~。
寝てる間に…
穏やかなお天気に恵まれた昨日。
ちょっとスペシャルな散歩を済ませ、お気に入りのクッションに身を埋めるかりん。

その姿を見ていると、母さんはそばに腰を下ろして撫で撫でしたくなります。
そして、その満足そうな表情を見ていると、幸せ感がじんわりと押し寄せてきます。

眠りこけているかりんの耳を、ちょっぴり悪戯してペコッと倒してみました。
これだけで、かなりイメージが変わるような気がします。
う~んと仔犬の頃は、きっとこんな感じだったのでしょうか。
そんなことを想像しただけで、母さんは、またまた愛しさが込み上げてきました。