夏の思い出 2023

今年の夏も、遠路はるばる妹一家が帰ってきてくれました。
この春に大学生となり、親元を離れて独り暮らしを始めた甥っ子も一緒です。

昨年の夏、初顔合わせをしたかのんは妹一家のことを憶えていたのかいないのかわかりませんが
比較的すんなりと馴染んでおりました。
かりんのような熱烈歓迎☆はありませんでしたが、ビビリなかのんとしては上出来です。

さて、かのんがお話ししたいようなのでバトンタッチします。

かのんです。
なんとなくなつかしような、とってもやさしいニオイのするひとたちがやってきて
みんなに、い~っぱいナデナデしてもらいました。

かあさんにそっくりなコエのひとがいて、なんかとってもアンシンしちゃって
おもいっきりよっかかっちゃった。
そうそう、ネコさんもいっしょにかえってきてて、「はなこっつん」であいさつしたよ。

それからね、またまたぶんちゃんのところへあそびにいきました。
ぶんちゃんに「あぁ、キミか。いらっしゃい!」っていわれたよ。

なんかいつもとちがう、ワクワクいっぱいなじかん。
これが「なつのおもいで」ってヤツなのかな。

初めてのお正月

この年末年始、甥っ子が受験生ということで妹一家は帰省せず
私たちだけで母さんの実家へ帰りました。
なので、年越しそばとお雑煮を食べたこと以外はいつもと変わらない
実家で過ごすのんびりとした時間でした。

実家では、和室に敷いた長座布団の上で過ごしてばかりだったかのん
今回はだんだんと行動範囲を広げ、居間に進出するまでになりました。

実家での散歩コースの土手で、かのんをパチリ☆
ここは何度となくかりんと歩き、写真をたくさん撮った場所なので
こうしてかのんを見ていると、感慨深い思いでいっぱいになります。

さて、予定通り大晦日に抜糸を済ませ、「I am free~♪」なかのん
手術をする以前の元気だった頃以上に、元気になったような気がします。
だって、遊ぶ時の動きがキレッキレ☆なんだもの~。

ワン・クッション

6年前にアルツハイマー型認知症と診断され、要介護1との介護認定を受けながらも
介護サービスを利用しつつ、なんとかかんとか独り暮らしを続けている私の母。
実家から100キロ少し離れた所に住む私は、ほぼ2週間おきに母の様子を見に帰省します。

母は今さっき話したことや体験したことを、信じられないくらい見事に憶えていません。
ですから、壊れたレコードのように同じ話を幾度も繰り返し、同じことを何度も尋ねます。
それでも、イラッとする気持ちを抑えつつ、そこそこ上手く対応できていたのです…今までは。

しかし、ここ最近、イラッとする気持ちを持て余すようになってきて
同じ話を繰り返す母と向かい合うことが、きつく思えてきたのです。
「なんで?」と考えていたら…答えが見つかってしまいました。

そうです!かりんがいないからなのです。
母との会話や対応にイラついたとしても、そこに寝そべるかりんがいたり
かりんの世話をすることで、気持ちがリセットされていたのです。

かりんは、ギスギス・トゲトゲした私の心をふわっと受け止めてくれる
柔らかくて温かい【ワン・クッション】でもあったのです。

先々月からかりんの姿がないのに、まったくもって気づく様子のない母。
かりんがいたことすら忘れてしまったの?
それでも、「あれっ、かりんちゃんは?」の一言を期待してしまいます。

足りない…ひとり

この年末年始は、積雪での通行止めを避けながら妹一家が帰省してくれて
一年前と同様、賑やかで楽しいひとときを過ごしました。
ただひとつ違ったのは…そこにかりんはいないということ。

実家の居間で、みんな揃ってくつろいでいる時のふとした瞬間
「これで全員…だっけ?」と何度も思い、人数を確認しました。
でも、間違いなく全員揃っていました。

今までも、同じ空間にいつもかりんが一緒にいたわけではないけれど
確かにかりんは存在していました。
私が「足りない」と感じたそのひとりは、かりんだったのでしょう。
妹一家を送り出して我が家へと向かう途中、今まで見たこともないような
濃くハッキリとした大きな虹が目に飛び込んできました。

「みんなイッショで、すっごくたのしかったね~♪」
お耳ペッタン、尻尾フリフリのかりんが見えた気がしました。

実家でのひとコマ

先週の木曜日から、母さんはちょっぴり遅い夏季休暇に入りました。
土日・祝日を挟んでの6連休です。
定例の実家への帰省は大抵1泊2日なので、いつも慌ただしく時間が過ぎてしまうのですが
今回は2泊3日にしたので、物理的にも精神的にも余裕がありました。

実家では、敷布団1枚をドーンと占領して横になるかりん
母さんの膝の上の代わりに、真ん中がくぼんでいる枕にのっけたら、あらまぁ~イイ感じ。
このまんま、愚図ることなく気持ち良さそうに数時間眠っておりました。

車での移動の疲れか、いつもと違う場所のせいか、実家では比較的イイ子でいてくれるかりん
ですから、長く愚図り続けて手こずることはそれほどありません。

それでも、時折、愚図り始めてしまいます。
「どうしたの?」とばぁばが優しく声を掛けながら「よしよし」と撫でてくれるのですが
どうやっても鳴き止んでくれません。
しかし、そこで母さんが登場すると、不思議なくらいピタッと鳴き止んでくれます。

なだめようとしてくれたばぁばには申し訳ないけれど、母さんは心の中でニヤけています。
まだまだ、母さんのことをちゃんとわかってくれているのだと再認識して、嬉しくなるのです。