幻の尻尾フリフリ

最後にかりんが尻尾を振ってくれた日から、ちょうど1年が経ちました。
ばぁばを病院に連れていくために1泊2日で実家へ帰っていた母さんが、帰宅した時でした。
尻尾フリフリ…とはいっても、うっかり見逃してしまいそうなくらい弱々しいものでした。

その頃、尻尾は常にダラリと下がったまんまで、フリフリすることはほとんどなくなっており
耳を少しばかり後方へ倒すことで、辛うじて嬉しさを表現していました。
現在は、尻尾が上がるのは排泄する時や、身体を起こす時にバランスを取るためだけになり
「嬉しい」などの感情と連動することは皆無になってしまいました。

シニアになると尻尾を上げる筋力の低下により、尻尾を振らなくなると聞いたことがありますが
それに加え、かりんは喜怒哀楽を顔や仕草で表現することがほとんどなくなってしまいました。
今は、本能的な部分で感じる不快感などを、鳴くことで訴えるのみです。

先日も、1泊2日留守にして戻ってきた母さんを、いつもと変わらない顔で迎えるかりん
そんな淡々とした表情に、喜びや嬉しさの欠片をどうにかして見出したくって
「ただいま~っ、かりん!」と、大袈裟なくらいテンション高めで話しかけてしまいます。

尻尾は動かなくても、かりんの頭の中ではフリフリしてくれている…と思いたい母さんです。

せつない時間

かりんの歩みが危なっかしくなってからは、夜、母さんが隣に布団を敷いて寝ています。
未明の3時過ぎから鳴き始め、夜が明けるまで鳴きやまなかった日が、今週は2日ほど。

こういう時の鳴き方は半端なくて、叱ってもなだめても聞く耳を持たないので
気休めに場所を移動させたりして、鳴き疲れるのを待つしかありません。
両隣と後ろのお宅には、「かりんの鳴き声がうるさいかもしれません」と断ってあるのですが
そうは言っても気になり出すとどうしようもないので、母さんは気が気ではありません。

また、日中も、ほぼ例外なく午前中の大半を鳴いて過ごしています。

「シニアになり、寝てばかりで寂しい」と呟いていた頃がありました。
今は、静かに寝てくれているとホッとするというのが正直なところです。

介護は、綺麗ごとだけで語ることはできませんが
それでも、できる限り綺麗ごとだけを口にしていたいと思っています。
しかし、この鳴き声だけは、しれっとスルーすることが困難です。

心は間違いなく「かりん大好き」なのですが、それをも上回る鳴き声の脅威。
母さんにとっての【和み】が、一瞬そうでなくなる…せつない時間です。

ほっ…♪

昨日の夕方、やっとかりんの形あるウンチを拝むことができました!
直近のピーピーが月曜日の朝だったので、3日半が経過しておりました。

そろそろ出ても良い頃だと思うのに、まったく気配がないので
オムツを外して、お尻の周りの毛をチョキチョキ切っていたところ
母さんの思惑どおりになりました。

いやはや、形あるウンチがこんなにも愛おしいとは~。

思い返せば、ポンポンがピーピーになり始めたのが10月下旬。
一日に何回も出る日が続いた時は、正直「これまでか…」と思いましたが
かりんは驚くほど頑張ってくれました。

そして、みなさまの温かい応援に心からの感謝を。
送っていただいたたくさんのパワーが、かりんのポンポンに届きました。

ポンポンがピーピー

ここ数か月、かりんの鳴きまくり怪獣出現!に悩まされていた我が家。
あろうことか、追い打ちをかけるように更なる脅威が登場しています。
それは…「ポンポンがピーピー」です。

腎不全になると老廃物が上手く排出されず、腸内環境が悪くなります。
そこで、腸管内に拡散される窒素老廃物を栄養源として利用し
増殖しながら代謝してくれる善玉菌(生菌)のサプリメントを
昨年の秋以降、ずっと飲み続けていました。
その効果もあってか、最近までは便の状態もそこそこ良かったのです。

しかし、先月末あたりから下痢が続くようになりました。

腎不全による下痢なので、その原因を取り除くことは無理です。
消化器剤・抗生物質・消化酵素剤などを処方してもらい試しましたが
大きな改善が見られないまま、今日に至っています。

これだけ下痢が続くと、確実に衰弱してしまうと思うのですが
小腸で栄養素の大部分を吸収した後の大腸性の下痢なので
下痢が続いている割に、それほどぐったりした感じはありません。
それでも、体重は確実に減っています。

普通、下痢をしている時は胃腸を休めるために絶食がベターですが
今のかりんは、絶食してしまうとあっという間に衰弱してしまいます。
結果的に下痢になったとしても、とにかく食べさせなくてはいけないので
食べっぷりは相変わらず良くないけれど、なんとか口に入れています。

こうなると、かりんの身体の頑張りに頼るしかありません。
腸内環境が少しでも良くなるよう、乳酸菌の整腸剤にも望みを託しています。

形のあるウンチを拝みたい…今の母さんの一番の願いです。

怪獣出現!

寝ている時やうつらうつらしている時のかりんは、毛むくじゃらの天使そのもの。
しかし、ひとたび起きてしまうと、鳴きまくり怪獣が出現します。

「お腹が空いた」「喉が渇いた」「動きたい」「ウンチが出る」など
鳴く理由がハッキリわかる時もあるけれど、その大半がよくわかりません。
撫でていると納まることもあれば、何をしても鳴きやまないこともあって
そんなときは、泣き止まない赤ちゃんを抱え途方に暮れるお母さん状態です。

そんなこんなで、ここ2か月くらい、我が家は日々鳴き声に悩まされており
その強さたるや90デシベルにも達します。
今までは、家にいて鳴き声を出すことは皆無だったので
鳴きまくっているかりんの声を聞いて、宅配便の馴染みのお兄さんが
「新しいワンちゃんですか?」と尋ねられたくらいです。

でも、日中あれだけ鳴いていれば、夜はしっかり眠ることができるようで
今のところ夜中に鳴くことはほとんどありません。
それが、せめてもの救いとなっています。

あんなにも無口(?)だったかりんの変化に戸惑うばかりですが
どんなに変わろうとも、間違いなく母さんの大好きなかりんですから。