一昨日の夜、そろそろ寝ようと母さんが思っていたら
ベッドで丸まっていたかりんがムクッと起きて、辺りをキョロキョロし始めました。
しきりと天井を見上げていましたから、きっと虫を見つけたのでしょう。
気にせず、そのまま灯りを消してベッドに入りましたが
部屋をカツカツと歩き回る足音はしばらく聞こえ、やっと静かになりました。
様子が気になり灯りを点けると、部屋の中にかりんの姿はなく
寝室に続いている納戸の隅っこの冷たい床の上で、丸くなっていました。
その姿があまりにも心細げで、思わず抱っこしてベッドへ連れて入りました。
横になった母さんは、掛け布団に半身を入れながらも座ったまんまのかりんに
「大丈夫、大丈夫!」と声を掛けながらマッサージをし続けたところ
だんだん身体の力が抜けて、母さんの隣にゴロンと身を横たえました。
そして…母さんの首にそぉ~っと顎を乗せてきたのです。
布団の中で横になったこと自体が驚きだったのに、何てことでしょう。
スースーと音をたてるかりんの心地良い寝息を間近で聞きながら
母さんが至福の時を過したのは言うまでもありません。
かりんの寝息と、母さんの呼吸がシンクロしてしまいそうでした。
思わぬ出来事があまりにも嬉しくて、眠ってしまうのが勿体なくて
昨日はちょぴり寝不足の母さんでした。