手乗り柴犬

エアコンの効いた部屋で、気持ち良さそうに寝転がっています。

まぁるい背中を見ていると、なんだか安心しちゃうのよね。

口元がちょっぴり緩んで、ムニャムニャしています。
きっと美味しい夢を見ているのね~。

って…………。

かのん…じゃなかったの?!

あまりの造型の素晴らしさに、思わず買ってしまった柴犬のマグネット。
ちょいポチャ柴犬の体型をリアルに再現していて、手乗りサイズの柴犬がそこにいるかのようです。

この一回り小さいサイズを職場のデスクにチョコンと置いて、一息つくたびに和んでいる私。
本当は、かのんを連れて行きたいけどね。

頭上絵

輪っか出現に始まり、カモメ眉へと移行していたかのんの顔。
その後も少しずつ変化し続け、その面白さは留まるところを知りません。

今は、こ~んな感じです。
まるで、大きく羽を広げた鳥が頭上に貼りついているかのようです。

これは、【ナスカの地上絵】ならぬ【かのんの頭上絵】ですな。

不思議ちゃん

かのんが我が家の一員となってから、もう少しで2か月。
いろいろな意味での濃密な時間を過ごしているせいか、「まだ2か月?」と思ってしまいます。
そして、2か月も経てば私たちにも環境にも、ほぼほぼ慣れてくれると思っていました。

甘えん坊さんな姿や、ブラシで遊ぶ様子を目の当たりにすると
もう、しっかり私たちを認識し安心しているのだろうと思いそうになりますが
実は、そう簡単なことでもないのでした。

夕方、私が仕事から帰ってきても、尻尾を振ってくれるどころか
嬉しそうなリアクションはまったくなく、「どちらさん?」という感じで
やや不審そうな面持ちで見られます。

また、大抵は普通に散歩できるのですが、時として急に振り返って
「なんで私を追ってくるの?」とばかりにリードを持つ私たちに怯えて
思いっきり腰が引けた状態で逃げようとします。

「えぇ~っ、あれだけ甘えてくれてたのに忘れちゃったの?」と
ツッコミを入れたくなるような、はたまた泣きたくなるような反応です。

普通は、経験や記憶などは蓄積されていくものだと思いますが
大丈夫だったことが大丈夫でなくなったり、またその逆もあったりと
かのんの場合、ある瞬間リセットされるような感じです。
それでも、すべてにおいてリセットされるというわけではなく
かのんという名前の他にも、覚えたことはいくつもあります。

しかし、人(家族としての)を認識するのが苦手なのか
どうかすると、「誰だっけ?」と、日々振り出しに戻ってしまいます。
それでも、振り出しから次に進むマス数は、少しずつ増えている気はしています。

そんな【不思議ちゃん】のかのん
戸惑ってしまうことも多々あるけれど、面白くってツッコミどころ満載。
どんなにシラッとした塩対応をされても、甘えん坊さんな神対応の時もあるし
私は決してメゲませんよ~。

超ビビリ?

かのんが我が家に来て3週間が過ぎました。
3月26日に会いに行った時には天真爛漫な姿を見せてくれたので
私たちにも環境にも、割とすぐに慣れてくれると安易に考えていました。

かのんのハウスは、玄関横の和室に置いてあります。
ここは、寝たきりになってからのかりんが過ごした場所でもあります。

我が家に着いたばかりの時は、そこらを探索したりしていましたが
その後の2週間ほどは、ハウスからほとんど出てきませんでした。
今は、ハウスから出ている時間も少しずつ増えてきてはいるものの
和室からトコトコと出てくることは滅多にありません。

ある日、和室の窓を開けた時、風に揺れるカーテンが怖かったらしく
カーテンが揺れていなくても、その存在を怖がるようになりました。
なので、和室にいること自体が怖くなってしまいました。

その結果どうしたかと言うと、そそくさと玄関のたたきに下りて
外に逃げたいような素振りを見せながら、座り込みました。

一見くつろいでいるように見えますが、玄関から出られないことを知り
諦めモードになりながらも、和室には戻りたくないと訴え中です。
しばらくして、何とか和室に戻らせることができましたが
カーテンが怖いのは相変わらずのようで、困ったものです。

たくさんの保護犬のお世話をしてこられた大先輩でもある友人に話すと
かのんちゃんが特別ビビリなのではなく、最初はこんなものなので
安心して隠れていられる場所を確保してあげることが大切です。
精神的に落ち着き、ここは安心できると思えるようになってくれば
だんだん怯えなくなります」とのアドバイスをもらいました。

ハウスに入ってばかりだったのは、そこがかのんの安心できる場所だから。
出てこないからと無理に出そうとしたり、あんまり構い過ぎないこと。
最初は、放っておくくらいが良いそうです。

三歩進んで二歩下がれば上出来で、三歩進んで五歩下がる日も。
まだまだ時間はかかりそうですが、決して焦らずのんびりいきましょう。
時間はたっぷりあるのだから。

かのんのこと

かりんを譲渡してもらったことがきっかけとなって
以前、私は動物愛護団体のお手伝いをしていたことがありました。
その時の友人が「新しい飼い主さんを探している犬がいる」と
人伝に聞いたそうで、私に声をかけてくれました。

その友人には、かりんが旅立ったことを伝えていただけで
再び犬を迎えるかどうかについては、まったく話していませんでした。
ですから、連絡があった時は本当にビックリしました。

かのんはブリーダーの繁殖犬でした。
一般的には、繁殖犬がリタイアとなるのは6歳くらいだそうですが
かのんは繫殖犬には向かなかったようで、3歳足らずでのリタイアとなりました。
それでも、2回の出産を経験しています。

見せてもらった1枚の写真だけで、家族に迎える決断をする勇気がなくて
話をもらった数日後、会うために出掛けました。
どういう環境下にいる犬なのか、ちょっぴり不安もありましたが
私が想像していたような劣悪な環境とは違って、ホッとしました。

その時に聞いた話では、自分たちブリーダーは良い犬をつくりだし
展覧会で賞を取ることが目的なので、家庭犬のように撫でたりして
可愛がったりはしていないと言われました。
また、名前で呼ぶこともしない(理由があるのですが)そうです。
それは、私たちの知らない世界の話でした。

ですから、かのんは今まで名前で呼ばれたことはなかったし
撫で撫でしながら「イイ子だね」と言ってもらったこともありません。
私たちからすれば信じられないようなことではあるけれど
かのんにしてみれば、それが当たり前の日常だったのです。

当のかのんは、クールな反応の犬だろうと勝手に想像していたのですが
私たちを見た途端、耳ペッタンのニコニコ顔ですり寄ってきて
初対面とは思えないくらい、甘える素振りを見せてくれました。
その天真爛漫な姿を目にして、「我が家に迎えよう!」と決めました。

かのんにとって、今までとはまったく違う日常が始まりました。
成犬を迎えるということの素晴らしさと、少しばかりの難しさとを
私たちも、これからう~んと味わっていくことになると思います。