かのんのこと

かりんを譲渡してもらったことがきっかけとなって
以前、私は動物愛護団体のお手伝いをしていたことがありました。
その時の友人が「新しい飼い主さんを探している犬がいる」と
人伝に聞いたそうで、私に声をかけてくれました。

その友人には、かりんが旅立ったことを伝えていただけで
再び犬を迎えるかどうかについては、まったく話していませんでした。
ですから、連絡があった時は本当にビックリしました。

かのんはブリーダーの繁殖犬でした。
一般的には、繁殖犬がリタイアとなるのは6歳くらいだそうですが
かのんは繫殖犬には向かなかったようで、3歳足らずでのリタイアとなりました。
それでも、2回の出産を経験しています。

見せてもらった1枚の写真だけで、家族に迎える決断をする勇気がなくて
話をもらった数日後、会うために出掛けました。
どういう環境下にいる犬なのか、ちょっぴり不安もありましたが
私が想像していたような劣悪な環境とは違って、ホッとしました。

その時に聞いた話では、自分たちブリーダーは良い犬をつくりだし
展覧会で賞を取ることが目的なので、家庭犬のように撫でたりして
可愛がったりはしていないと言われました。
また、名前で呼ぶこともしない(理由があるのですが)そうです。
それは、私たちの知らない世界の話でした。

ですから、かのんは今まで名前で呼ばれたことはなかったし
撫で撫でしながら「イイ子だね」と言ってもらったこともありません。
私たちからすれば信じられないようなことではあるけれど
かのんにしてみれば、それが当たり前の日常だったのです。

当のかのんは、クールな反応の犬だろうと勝手に想像していたのですが
私たちを見た途端、耳ペッタンのニコニコ顔ですり寄ってきて
初対面とは思えないくらい、甘える素振りを見せてくれました。
その天真爛漫な姿を目にして、「我が家に迎えよう!」と決めました。

かのんにとって、今までとはまったく違う日常が始まりました。
成犬を迎えるということの素晴らしさと、少しばかりの難しさとを
私たちも、これからう~んと味わっていくことになると思います。

かのんのこと」への18件のフィードバック

  • 2022年4月8日 11:05 PM
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    我が家のマリン&マコは事情は違いますが10ヶ月・11ヶ月から暮らしています。仔犬時代は判らないです。でも時間をかけて今ではイイ姉妹であり家族です。ゆっくり「かのんちゃん」ペースでゆっくりとに(^^)

    返信
    • 2022年4月10日 1:56 PM
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      マリン&マコとーちゃんさん へ

      はじめまして!(…でしょうか?間違っていたらすみませんっ)
      お越しいただき、そしてコメントをありがとうございます。

      マリンちゃんとマコちゃんも、ちびっ子の時に迎えられたのではなく
      少し大きくなってから家族になったのですね。
      同時期ではなく、それぞれ別の時期に迎えられたのでしょうか?

      今ではイイ姉妹であり家族であると伺って、不安が和らぎました。
      時間はかかるかもしれませんが、書いてくださったようにゆっくりと
      家族になっていこうと思います。

      返信
  • 2022年4月9日 5:07 PM
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    hako様

    かのんちゃんとの馴れ初めをお聞きして、今まで厳しい世界で頑張ってお仕事してきたワンちゃんだったのだと感じました。

    ぶさかわなんてとんでもないです、正統派の美人(美犬)さんだと思います。
    繁殖犬に選ばれるのだから、気質も素晴らしい子なんですよ〜❣️
    あんまり言うとかりんちゃんがやきもち焼きそうですね。

    かのんちゃんにとっては生活が一変なのでしょうが、これまでとはまた違う幸せを見つけていきそうですね。
    いっぱいお名前呼んで貰って元気で長生きしてね〜

    返信
    • 2022年4月10日 2:06 PM
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      さちさん へ

      子犬を産むことが自分の役目…と思って過ごしているわけではなかったでしょうが
      家庭犬の生活しか知らない私たちから見れば、複雑な気持ちになってしまいます。
      でも、かのんは恵まれていたほうだと思います。

      正統派の美人だと言っていただき、とっても嬉しいです。
      褒められることに慣れていない(?)かのんは、キョトン…だと思いますが。(笑)
      かりんとはまた別の愛らしさがあると、既に親バカ炸裂☆です。

      今は、いっぱいいっぱい名前を呼んでいます。
      我が家に来て2週間になりますが、自分の名前は何となくわかったようです。
      まだ、ビクビクしたりすることもありますが、楽しいことも見つけたようで
      でっかい子犬を見ているような毎日です。

      返信
  • 2022年4月9日 7:53 PM
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    hakoさん、かりんちゃん、かのんちゃん、こんにちは~!
    かのんちゃんはニコニコ顔で、しっかりアピールをしたのですね!
    もしもこの天真爛漫な姿を見せてくれなければ、かのんちゃんはhakoさんちの子になっていなかったのかも・・・と思うと、「良かったねー。」「アピールした甲斐があったねー」と、かのんちゃんを褒めてあげたくなります。

    かのんちゃんには名前がなかったと知り驚きました。
    劣悪な状況ではないにしても、展覧会で賞を取るためにしても、それはないだろうと思います。
    「かのんちゃん」可愛い名前をもらって良かったね。

    返信
    • 2022年4月10日 2:20 PM
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      まるこ母さん へ

      後から考えると、普段、撫でながら優しい言葉をかけてもらってはいないのに
      私たちには甘える素振りを見せてくれたことが不思議な気もしました。
      犬は人間に可愛がられることが嬉しい(個体差はあるでしょうが)のだと
      かのんの反応を見て、改めて思いました。

      名前はつけていないから(血統書の【○○号】という名前はあるけれど)
      好きな名前をつけてやってください…と言われました。
      名前で呼ばない理由については、またお話ししようと思いますが
      その理由を聞いて「そういうことなのか」と理解はしました。
      それに、普段の生活において、名前を呼ばなくても事足りるのだろうと
      そんなふうにも感じました。
      とは言っても、家庭犬のことしか知らない私たちからすれば
      名前をつけないなんて考えられないけど。

      2週間が経ち、自分を呼ばれる時、「かのん!」って言われるってことは
      ほぼほぼわかってきているように思います。
      最初の頃、つい「かりん!」と言いそうになっていた私たちですが
      やっとのことで、意識しなくても「かのん」と呼べるようになりました。(笑)

      返信
  • 2022年4月9日 9:24 PM
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    展覧会を狙ったブリーダー、そういうのもあるのですね。
    お話を読んでる限り、想像できない世界ですね。
    だからこそ、人を見る目はあるのかもしれません。
    かのんちゃんはhakoさんの人間性を見抜いたのでしょう。
    かりんちゃんがそっと耳打ちしてたかもですが(笑)
    素敵な出会いに感謝ですね。

    返信
    • 2022年4月10日 5:19 PM
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      yushipapaさん へ

      私も詳しくはないのですが、種の保存という目的のもとに
      犬種の向上や普及を目指して展覧会が開催されているそうです。
      一口にブリーダーと言っても、それぞれ目的が違うかもしれませんが
      展覧会で賞を取るということは、ひとつのステータスなのだと思います。

      初めて会った時のかのんは、まるでチビッ子みたいな無邪気さで
      「遊ぼ・遊ぼ!」と言っているかのようでした。
      これも縁だと思いますが、書いてくださったように
      かりんが、かのんに何か言ってくれたのかもしれませんね。(笑)
      もしもそうだったら…うれしいな。

      返信
  • 2022年4月9日 11:12 PM
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    かのんちゃんが劣悪な環境でなかったことには
    少しだけホッとはしたけど…
    名前で呼ばない撫でて優しい声掛けもしないなんて
    そんな世界があるんですね。
    私も全然知らない世界の話しだわ!

    かのんちゃんが今こうしてhakoさん家の家族になって
    ホント心の底から良かったなって思います。

    返信
    • 2022年4月10日 5:38 PM
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      ふくねえさん へ

      ニュースを騒がせるような劣悪な環境にいる繁殖犬もいるけれど
      かのんがいたところに、そんな悪い印象はありませんでした。
      でも、犬に対する意識が私たちとは違うのだということを改めて感じました。

      これからの時間は、普通の家庭犬としての毎日を味わってもらいたいと
      強く思っています。

      返信
  • 2022年4月10日 8:45 AM
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    かのんちゃんが今まで過ごしてきたところ、状況など
    本当に私には知らない世界です。かのんちゃんの
    ことをこうしてお話してもらって初めてしりました。
    そういうところ(環境だったり状況だったり)が
    あるのだと。でも劣悪なところではなかったとの事に
    ほっとします。

    かのんちゃん、いっぱいナデナデしてもらってね。
    ちょっとずつ時間をかけてかのんちゃんのお家
    そして信頼できるお父さんお母さんに身をゆだねて
    かのんちゃんらしく暮らしていってね。

    かのんちゃん、ほんと素敵で可愛い名前だね。
    お姉ちゃんと「ひと文字ちがい」ってところも
    お洒落♪hakoさんのセンスがきらり光ってます^^

    返信
    • 2022年4月10日 5:50 PM
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      れんママさん へ

      純粋に、種の保存のために尽力しておられる方もおられると思います。
      しかし、近年のペットブームでペットを飼う人が増えてきたので
      営利目的で無理な繁殖をさせる人が出てきたりと、問題も少なくないようです。

      私たちには慣れてくれたようですが、ちょっとした物音などに敏感で
      未だにビクビクしている時があります。
      これらには、しっかり時間をかけていかなくてはならないと思っています。

      【かりんセンパイ】と一文字違いの名前は、私の拘りでもありました。
      ちょっと覚えにくい名前のようで、人に言うと「ん?」と聞き返されますが。(笑)

      返信
  • 2022年4月10日 9:40 AM
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    全く家族を知らずに過ごしたかのんちゃん
    これから家族の暖かさを知ってくるのでしょう。
    一緒に暮らす者にとっては戸惑いは多いでしょうが
    少しずつ解決していくことで幸せを感じるのでしょう。

    この笑顔は間違いなく幸せを感じはめているのではないかと
    勝手に思っている私です。

    返信
    • 2022年4月10日 5:55 PM
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      adさん へ

      それなりに可愛がってもらっていたのだと思いたいですが
      私たちが言うところの家族とは、決して言えない環境でしたから。
      可愛がられることに慣れていないような感じもしています。

      普通の家庭犬として暮らしているうちに
      顔つきもだんだんと変わっていくのではないかと思っています。
      もっともっと可愛くなってくれることを願いつつ。

      返信
  • 2022年4月10日 2:27 PM
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    劣悪な環境ではないとはいえ
    名前すらつけてもらえず、優しい手も知らずに
    産む機械として育てられてきたんですね
    若いうちに引退できて本当によかった

    初対面のようすを読んで
    かのんちゃんがhakoさんの家族になる道を選んだ気がします
    いっぱい名前を呼んでもらって
    いっぱい優しい手でなでてもらって
    幸せなワン生を送ってね

    返信
    • 2022年4月10日 6:02 PM
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      ぽんぽこさん へ

      産む機械…正にそのとおりかもしれません。
      人間の都合で、どんどん交配させられるわけですから。
      繁殖犬が、それを「辛い」とか思わないところが余計にせつないですね。

      かのんが我が家を選んでくれた…と言っていただき嬉しかったです。
      そうだったらいいな♪と思いながら、いっぱい名前を呼んで
      いっぱい撫で撫でしようと思います。

      返信
  • 2022年4月10日 11:22 PM
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    かのんちゃん、立ち上がって、何か気になったのかな?

    人間と暮らす日常音は聞き慣れない物も多いのかもしれないけど、少しずつ慣れて、安全、で分かってくれるとよいですね。

    とはいえ、うちのさくらもいまだに、いろんな物音にびっくりしてます笑
    そうじとか洗濯とかでなく、リモコンを置く音が大きかったとか、食器がガチャって言ったとか、ちょっとした音でビクッとしてます。

    ごめんごめんと言うと、ふん…て苦笑

    返信
    • 2022年4月11日 8:11 AM
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      さりままさん へ

      立ち上がって窓の外を見ている姿は、我が家に迎えたその日の写真ですが
      何とかして外に出られないものか…と、窓をカリカリしていました。

      今までの生活が一転したわけですから、そりゃ~戸惑いますよね。
      そして、ココが安全安心な場所なのかよくわからないので
      本能的に警戒心が先に立ってしまうのだろうと思います。

      確かさくらちゃんは、動物セラピー教会で過ごしていたところを
      さりままさんちに迎えられたのでしたよね?
      かのんとはまったく違う環境だけど、成犬で迎えたところは同じですね。

      ゆったりとくつろいでいて、「いいぞ、いいぞ」と思っていても
      ちょっとした音でビクッとなりハウスに引っ込みます。
      慣れたかと思うとビクビク…の繰り返しです。

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