分身が欲しい

この土日は、母さんだけが実家へ帰る予定の週末でした。
ばぁばを病院へ連れて行くなどのミッションがある時は、かりんは連れて帰りません。
しかし、今回は特段のミッションもないし、自宅でのKちゃんの仕事が忙しいこともあって
かりんを連れて実家へ帰りました。

元気な頃は、母さんのブッブー(車)に乗って出掛けるのが大好きでしたが
昨年の夏頃から、後部座席にひとりで乗せると、殆ど鳴きっぱなしになってしまいました。

今までにも、ふたりだけで何度か実家へ帰りましたが、延々と鳴き続けるかりんの大きな声に
母さんは頭や耳がおかしくなってしまいそうでした。

でも今は、母さんの脳内でノイズキャンセリングが行われるようになってきた(?)ので
以前ほどは気にならなくなっています。
愛しいかりんの声がノイズだなんて酷い表現ですが、車という密閉された狭い空間では
そう言わざるを得ないくらいの音です。

当のかりんも、痩せっぽちの身体から大きな声を出すわけですから相当に消耗します。
我が家に着いてからは、半ば放心状態で疲れを癒しておりました。

運転する母さんと、かりんの横に座って声を掛けながら撫で撫でする母さん。
これほどまでに、自分の分身が欲しいと思ったことはないかもしれません。

一緒にねんね

しつけのため…ということもあって、小さい頃からひとりで寝させていたせいか
元気な頃のかりんは、決して母さんと一緒の布団で寝てはくれませんでした。

そのことがちょっぴり寂しくなってきて、冗談半分で言い続けていたことがあります。
「もしも寝たきりになっちゃったら、母さんはかりんと一緒に寝ちゃうぞ~
一緒に寝るのがイヤだったら、寝たきりにならないでよね」って。

それが、今は母さんの布団の横にマットを敷いて寝させても、上半身がズズズ…とこちらへ。
朝起きると、母さんの顔の横にかりんの頭があります。

一緒に寝たがっていた母さんの願いを叶えてくれたの?
それとも、かりんが母さんと一緒に寝たくなっちゃったの?

坦々と

かりんが思うように歩けなくなり、食事の介助が必要になってから1年と少しが経ちました。
かりんの頑張りや、みなさんの応援もあって、一時は状態が良くなったりもしたのですが
やはり、緩やかな下降線を辿っているという事実は否めません。

そんな中で、みるみるうちにガクンと状態が悪くなってしまうことが何度かありました。
実は、昨年の終わり頃から今年にかけてが、正にそれでした。

それまでは、後脚はダメダメでも、お尻を持ち上げてやると前脚だけで少し歩きました。
また、得意な向きなら、横になっていても何とか上体を起こすことができました。
今は、どちらもさっぱりできなくなってしまいました。

年の初めの診察で、かりんの体重は5.7キロ(1か月ほど前は6.2キロ)にまで減っていました。
なけなしの筋肉が更になくなってしまい、骨格標本が毛皮を着ているかのようにゴツゴツで
最初はLサイズだったオムツも、今やSサイズです。
でも、まったくもって悪いことばかりではありません。
かりんの慢性腎臓病のステージは、吐き気があって食べられなくてもおかしくないそうで
受診の度に、「吐き気はない?」とドクターに尋ねられるのですが
不思議なことに、ありがたいことに、今のところそれはまったくないのです。

だからこそ、少量ではあっても何とか食べてくれるし、食べさせることもできています。
そして、一時悩まされたポンポンがピーピーもすっかり影を潜めてくれています。

マイナスを数え始めると、どうしても気持ちがどんよりして下向きになりそうですが
当のかりんは嘆くことなく、今できることをシンプルに坦々と頑張っています。

そんなかりんを見倣って、母さんも日々できることを積み重ねていこうと思います。

かりんライダー

昨年末、頑張った一年でアップした動画の種明かしでございます。

現在、一日のほとんどをマットの上で横になった状態で過ごしているかりん
少しでも別の体勢を取ることができるようにと、立位にさせるためのクッションを買いました。

節々がガチガチになっているかりんは、少し不自然な感じがしなくもないですが
母さんたち人間が、プロにマッサージしてもらう時のような格好です。

「どうかなぁ?」と不安もあり、ほぼ賭けのような感じで買いましたが
これが、意外と良さそうなのです。
我が家ではこの状態を、【かりんライダー】(Kちゃん命名)と呼んでいます。

クッションとかりんの身体が完全にはフィットしていないので
ケットなどを隙間に挟んだりして、調整しながら使っています。

そして、誤嚥防止のために、最近は【かりんライダー】で食事です。
また、愚図っていても【かりんライダー】にするとピタリと鳴きやんで
そのうち、うとうとし始めることもあります。

床ずれができないよう、また、かりんの気分が少しでも変わるように
かりんライダー】は大活躍してくれそうです。

ご対面~♪

コロナ禍の中、帰省するかどうか悩まれた方も多かったであろう年末年始。

居住地・帰省地共に感染が拡大している地域ではないこと。
認知症が進行しつつあるばぁばのこと。
そして、もしかするとかりんに会える最後のチャンスかもしれないこと。
散々悩んだ末に、妹家族が約1年4か月ぶりに帰ってきてくれました。

今回は、妹家族の愛猫【星良(せら)元♂ 13歳】が一緒でした。
今まではペットホテルに預けて帰ってきてくれていたのですが
腎臓病を患っている星良は、現在、自宅で皮下補液をしていることもあって
初めての帰省、そして、私たちとの初めての対面となりました。

星良は少し怖がり屋さんなので、知らない場所で過ごす数日間はドキドキだったと思います。
滞在している間のほとんどを、布団に潜り込んで過ごしていましたが
最後の頃には、母さんに頭コッツンして愛情表現してくれるくらいになりました。

この動画は、妹家族が自宅へ戻る前のひとときです。
星良は逃げ出してしまわないよう、かーちゃん(妹)に抱きかかえられています。
もっと時間を重ねたら、同じ空間に自然にいることができるようになったかもしれません。

母さんたちの年末年始は、大好きな人たちと愛しい毛むくじゃらさんたちと一緒に過ごす
最高に楽しい時間となりました。