母さんがパソコンに向かい、かりんに見向きもしない状態が長くなってくると
チョコチョコとやって来て、前脚でチョンチョンと母さんの脚を突きます。
それでも無視されると、今度はカリカリと強く引っ掻き始めます。
しかし、最近は情に訴えかける作戦に変更したようです。
ふと見ると、母さんの脚に鼻先をグッと押し付け隙間から顔を覗き込んでいます。
いつもはこんなことをしないだけに、これにはかなり弱いです。
それでもグッと我慢して無視していると、今までは諦めてしまっていましたが
ここ数日からは、別の作戦を考えたようです。
「?!」…何やら背後に気配を感じて振り返ると
今度は椅子の背の陰から覗いているではありませんか。
これには、流石の母さんも参りました。
「どんな作戦が効果的か?」、かりんなりに一生懸命考えて
進化させているのかもしれません。
求める心
昨日、毎月恒例となっている犬猫の譲渡会が開催され
犬2匹、猫4匹が新しいご家族のもとへ旅立ちました。
譲渡会には、犬好き・猫好きな子供たちが集まってきます。
少し離れた場所にちょっぴり遠慮がちにたたずみながら
目はしっかり仔犬に釘付けになっている女の子がいました。
「犬…触ってみる?」と尋ねると、恥ずかしそうに頭を縦に振り
仔犬の小さな身体を優しく撫で始めました。
同伴のお母さんのお話によると、犬が好きでたまらないけれど
お祖父ちゃんが反対していて飼えないのだそうです。
しかし、一生懸命にお祖父ちゃんを説得中とのことでした。
そして、犬と暮らすために少しずつ貯金をしているそうです。
「お祖父ちゃんが、『いいよ!』って言ってくれるといいねっ」
そう言葉を掛けると、更にその意志を固めたかのように
口元をキュッと引き締めながら頷きました。
この子が大好きな犬を連れて、嬉しそうに散歩する姿を
近い将来、きっと見ることができるに違いありません。
こんなにも強く求め、欲している子供たちがいる一方で
自分の身勝手で簡単に手放してしまう大人たちがいます。
そんな現実を目の当たりにすると
恥ずかしさと遣る瀬ない気持ちで胸がいっぱいになります。
初めて迎え入れたその時の喜び・嬉しさを忘れずにいれば
決して不幸な結末が訪れることはないと信じています。
テラスでランチ
ちょっとばかり山の方へと入った所に、カフェレストランがあります。
オーナーさんが、廃材等を使って少しずつ増改築を進めておられ
「知人宅に、ご馳走になりに来ました!」…というような
何とも不思議な感覚になってしまう、居心地の良い空間です。
テラスがあるので、犬連れはココで食事やお茶をいただくことができます。
この日は天気が良かったので、テラスでのランチは快適でした。
母さんたちがランチをいただいている間、落ちていたボールを見つけて
大はしゃぎしているかりんです。
オーナーが使われる工作機械のそばに溜まっていた木屑。
その感触が気に入ったのか、わざわざこの上で遊んでいました。
かりんにとっては、山や木々や土の匂いをクンクンしたり
はたまたドングリを見つけたりして、刺激的な時間だったようです。
あんまり興奮し過ぎて、脚がしっちゃかめっちゃか~。
安心のニオイ
かりんによく見られる寝姿は2つあります。
・ 丸くなって鼻先をお尻にくっつけて寝る。
・ 後脚を伸ばしたまま鼻先に持ってきて寝る。
どちらも強烈にニオイが分泌される場所へ、鼻先を近づけて寝ています。
自分のニオイを嗅ぎながらだと、安心して眠ることができるのかしら?
眠っている時の肉球からは、モワモワ~と更に強烈なニオイが立ち上ります。
母さんも鼻をくっつけて寝ていいですか?
ドキドキのドッグラン -2-
ランに、2匹のドーベルマンを連れた常連さんが入って来られました。
その大きくて精悍な姿を見て、感心するやら驚くやらの母さんでしたが
「大丈夫だろうか?」と、一抹の不安が過ぎりました。
入場してきたドーベルマンは、新参者のかりんに逸早く興味を示したようで
ズンズンとそばに寄って来ようとします。
その大きさに驚いたのか、かりんは走り始めたのですが
その後を追いかける・追いかける・追いかける~ドーベルマン。
そのうち、かりんに向かって大きな声で吠え始めたのでした。
その凄まじい声に、ビビッて尻尾を巻いて逃げると思いきや…。
なんと!鼻にシワを寄せながら、負けじと正面切ってガゥガゥし始めたのです。
この状態がしばらく続いたのですが、少しずつ他の犬たちも加わり始めました。
集団心理なのでしょうか?
みんなが一斉にかりんに向かって、集中砲火を浴びせてきたのです。
「こ・これはヤバイ!」焦った母さんは、首輪を掴んでランから出ようとしたのですが
犬たちがそばに寄ってきて、なかなか外に出ることができません。
かりんも精一杯ガゥガゥいっておりましたが
仕舞いには、その声が悲鳴に近いものへと変わっていきました。
やっとの思いでランの外に出た時には、すっかり意気消沈して
尻尾がダラリ~ンと下がっていたかりんです。
身体も数ヶ所突かれたらしく、他の犬の唾液があちこちについておりました。
この後、管理人さんとお茶を飲みながら、かりんが落ち着くまでお話をしましたが
母さんの足元でグッタリとなっておりました。
少々手荒い洗礼を受けてしまいましたが、これも貴重な体験です。
でも、どうかトラウマになりませんよう、忘れっぽい性格を発揮して欲しいものです。
…という訳で、母さんも焦りまくってしまい、その時の画像がありません。
事件が起きる前の、楽しそうに遊ぶかりんの姿です。