お花に囲まれて

かりんが旅立ってから1週間が過ぎました。

気を張っていたせいなのか、旅立ちから最後のお別れをした次の日あたりまでは
哀しいとか寂しいとか辛いとか、そういう感情に心が占領されることはありませんでした。
むしろ、やっと見送ることができた安堵感のほうが勝っていたかもしれません。
しかし、日を追うごとに気持ちが変化してきました。

寝たきり生活が長かったせいか、ふと、かりんの足音が聴こえるようなことはないけれど
外に出掛けて帰って来た時など、「かりん…鳴いているかなぁ」と思ってしまったり。
かりんがいて、かりんの世話をすることが私たちの生活の一部になっていたので
それが、ある日を境になくなってしまった喪失感は想像以上に大きいものでした。

長い介護生活で覚悟ができていたのではなく、覚悟ができていると思い込ませることで
心のダメージをできるだけ軽くしようと、自己防衛本能が働いていたのでしょう。
「数日経ってから、苦しさや寂しさがどんどん大きくなってきますから…」と
お友だちが心配してくださったとおりでした。

日によっては気持ちが少し楽になることもありますが、時々、その逆もあったりしながら
その都度、感情の波にゆらゆら揺さぶられながらの毎日を過ごしています。

今、かりんはたくさんの綺麗なお花に囲まれています。
「お花クンクン」が好きだったので、瞳をキラキラ☆させながら鼻を近づけていることでしょう。

日々、「かりんは、超・可愛かったよね~」と親バカ炸裂で、Kちゃんと思い出話をしています。
そこに笑いはあっても、哀しみの涙はほとんど出てきません。
かりんを思いながら笑顔になることで、かりんのいない喪失感は少しずつ埋められていくのだと
そう願っているからだと思います。