迎春

主のいなくなったブログを、どうしたものかと悩んでいました。
共に過ごす時間は、かりんを見送った時に終わってしまいましたし
これから先、かりんの新たな写真が増えることはないですから。

でも、私にとって【かりん工房】は、かりんがここにいた証であり
いつでも、その時々のかりんに会える大切な拠り所でもあります。

もしかすると、まだ語っていなかったかりんを思い出すかもしれないし
懐かしい写真や動画が出てくるかもしれません。
ですから、これからも心のままに綴っていけたらと思っています。

…というわけで、本年もよろしくお願いいたします!

哀しみの向こう

何の根拠もないのに、ただ何となく漠然と、今年も一緒に年を越せると思っていたのですが
かりんのいない、寂しい年越しとなってしまいました。

朝昼晩のご飯作りやご飯を食べさせたり、愚図り始めると体勢を変えたりなだめてみたり
夜中に鳴き始める度に膝の上にのせて身体をトントンしたり…。
そんなかりんの日々の世話から解放された生活にも、すっかり慣れてしまいました。
しかし、「かりんがいない」ということそのものには、なかなか慣れることがありません。

よく、「哀しみを乗り越える」という表現を耳にするのですが
私にとって哀しみは「乗り越える」というよりも、常に隣にあって
強く感じたり薄らいだりしながら、一緒に歩いていく感じがしています。
そして、そのうち…哀しみの向こうにいることに気づくのかもしれません。

今日から実家へ帰ります。
目には見えないかりんも一緒にきてくれることと思います。
みなさま、どうか良いお年をお迎えください。

新しいハウス

最後のお別れをしてから、かりんの身体は小さな骨壺に納まってしまいました。
私はかりんのお墓を作るつもりは全くなかったので、骨壺をそのまま家に置いていたのですが
ずっとそのまんま…というのも何となく落ち着かない気がしていました。
そこで、かりんには新しいハウスに入ってもらうことにしました。

とてもシンプルなハウスで、結構気に入っています。
「う~ん、なかなか♪」と、かりんも喜んでくれているでしょうか。
かりん、ハウス!」と言うと、チャチャッと入ってくれていたのを
懐かしく思い出しました。

こうしてかりんに関わる何かを、一つずつ片付けたり整えたりすることで
自分で自分の気持ちを整えようとしているのだと思っています。

あぁ、それなのに。
かりんがいた日々は夢だったのか? かりんのいない今が夢なのか?
そんなことを、ふと思ってみたりする自分もいるのでした。
今は、ただただ、かりんがいなくて寂しい…の一言に尽きます。

でも、こんなことを書いているとかりんに笑われてしまいそうなので
クリスマスの今日は、サンタケープをまとった9歳のかりん
再登場していただきましょう。

みなさん! ☆ MERRY CHRISTMAS ☆

肉球クリーム

なぜ今頃、肉球クリーム?
…なのかと言うと、撮影したものの投稿しそびれてそのまんまになっていたのです。
もうかりんはいないけれど、記録として残しておこうと思います。

普通に歩いていれば足裏の古い角質は少しずつ削れ、必要以上に厚くはならないのでしょうが
かりんの肉球の角質層は分厚くなり、ガッチガチに硬くヒビ割れたみたいになっていました。
まるで劣化して硬くなったタイヤみたい。
そして、たまに角質の小さな欠片が落っこちているのを目にするようになりました。

気になったのでドクターに相談したら、獣医師監修の肉球クリームを取り寄せてくださいました。
質感は、私がここ数年愛用しているオーガニックシアバターとよく似ていて硬めなのですが
指先で表面を撫でていると、体温で少しずつ柔らかくなります。

大豆種子油・植物油が原料なので当然の如く舐めても安心。
けれど、この頃のかりんは自分の足を舐めることすらできませんでしたから
クリームは舐めとられることなく、その成分は100%肉球に浸透していきました。

塗った翌日あたりから、硬い角質が少しずつ柔らかくなりポロポロ取れるようになりました。
赤い矢印がガッチガチ状態の角質で、青い矢印がガッチガチの角質が取れた部分。
分厚い角質が取れたあとに顔を覗かせたのは、元気な肉球でした。

ガチガチの肉球になってから、かりんの足裏は香り立つニオイが全くしなくなっていました。
「ニオイが枯れたのかなぁ」などと思っていたのですが、分厚い角質が蓋をしていたようで
角質が取れたあとの肉球からは、ほんのりと懐かしいニオイがしました。

クリームを使い始めたのが10月の初旬なので、ほんの少し使っただけになってしまいました。
塗る時に取れた角質の欠片が私の指先にくっつき、黒い点となりクリームに埋もれています。
もう使うことはなくなってしまったけれど、時々蓋を開けて眺めています。

かりん出現?

かりんと寝床を並べて寝ていた一階の和室で、主のいなくなった空っぽの寝床を横に敷き
そこにいたかりんを頭に思い浮かべながら、私は寝ています。

ある晩、そろそろ寝ようと和室に入ったら、ふと、強くハッキリとかりんのニオイがしました。
かりんがいなくなってからは、そのニオイはすっかり消えてなくなってしまっていたのに…。
次の瞬間、「あっ、今ここにかりんがいるんだ!」と思い、涙が出そうになりました。

…が、また次の瞬間、その種明かし(?)に気づいてしまった私。
でも、やっぱり気づかなかったことにしておきましょう。

今夜は、ラグの上にかりんが出現!

………なんちゃって~。

私がラグの上に指でチャチャッと描いたかりんでした。
じーっと見ていると、ふとこっちを向いてくれそうな、そんな気がしてきました。