一昨日の就寝前、母さんが目薬を入れようとすると
いつも置いてあるはずの場所に、目薬が見当たりません。
他の場所を捜しても見つからず、「おかしいなぁ~」と呟きながら
かりんのくつろぎスペースであるソファーに何気なく目をやると
ビニールの切れ端のようなものが散乱しています。
慌てて見てみると、それは目薬の入っていた小さなビニール袋。
どうやら噛み千切ったようですが、肝心の目薬が…ない。
ソファーを動かしたり、クッションをよけたりしてみても見つかりません。
タラ~ッ……母さんの顔から一気に血の気が引きました。
目薬本体の残骸があっても良さそうなのに、それが全くないということは
そのままそっくり飲み込んでしまったのだろうか?
しかし、こんな異物を飲み込むことができるのだろうか?
母さんの頭の中で、いろいろなことがグルグルグルグル回ります。
「母さんの目薬、食べちゃったの?」とかりんに問いかけてみても
当然、答えはなく、何かマズイことをしでかしたと察知したようで
懸命に母さんの機嫌をとろうと纏わりつきます。
ただひとつの救いは、かりんがいつも通り元気だということ。
とりあえず緊急性はないと判断し、翌朝まで様子を見ることにしました。
最悪…開腹手術かもしれないと、頭の半分で覚悟しながら。
さて、一夜明けて。
かりんは散歩をし、普通のウンチをし、ご飯も食べました。
全くもって普段どおりです。
朝のメニューをこなし、人心地ついたかりんを撫でていると
急に思い立ったように、かりんがヒョイと母さんのベッドに跳びのりました。
そして、そこに何かあるかのように、ベッドと壁の隙間に頭を突っ込みました。
その姿を見てピン!ときた母さん。
かりんが頭を突っ込んでいる隙間を覗くと…ありました!ありました~!!
てっきり、かりんのお腹の中に消えたと思い込んでいた目薬が。
あちこちガジガジした跡があったものの、原形を止めておりました。
まるで、ココに落っこちたことを思い出し、母さんに教えてくれたみたい。
この瞬間、母さんの心配は一気に払拭され、体から力が抜けたのでした。
流石に、これは食べられなかったのか?
はたまた、隙間に落ちてしまったから食べ損ねてしまったのか?
本当のところは、かりんにしかわかりません。
幸いにも大事には至りませんでしたが、悪戯が鳴りを潜めていたため
かりんを過信し、油断しきっていた自分に反省しきり…です。