かりんとの大切な思い出の記録として、ここ数日のことを書いておきたいと思います。
こうして、思い出しながら言葉を紡いでいると、かりんを近くに感じることができますし
少しずつですが、私の心も穏やかになっていくような、そんな気がします。
(長文です)
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一昨年の11月、かりんの歩みがおぼつかなくなり始めました。
そして、昨年の10月から約1か月の長きに渡りポンポンがピーピーになっていました。
そういう訳で、かりんにとって10月・11月は【要注意】の時期でありました。
しかし、その大きな二度のピンチを乗り越え、受け容れながら頑張ってくれたかりん。
三度目の奇跡を願いましたが、残念ながらそれは叶いませんでした。
実は☆16歳の誕生日☆を迎える数日前あたりから、日を追うごとに弱ってきていました。
今までなら、食事の後半に差し掛かると、「もういりませ~ん」と大声で鳴いていましたが
だんだんと鳴き方が弱くなり、ついには鳴かなくなりました。
口にフードを注入してもほとんどモグモグすることなく、フードを口に含んだまんま
目を閉じてボーッと固まってしまうようになりました。
また、座薬なしでは夜鳴きが酷くて大変だったのに、誕生日の夜は座薬なしで翌朝まで寝て
一向に起きる気配がなく、意識が朦朧とした感じでずーっと眠り続けておりました。
☆16歳の誕生日☆の写真は前日に撮ったので、比較的パッチリと目が明いているのですが
もしも誕生日当日の撮影であったなら、こうはいかなかったと思います。
2日の夕方、病院へ連れて行って血液検査をしたところ、腎臓の数値が驚くほど悪くなっており
それと同時に電解質異常が見られ、こちらの数値も酷く高くなっていました。
こうなると、皮下補液ではなく静脈からの補液で数値を下げなければならないので
翌日が祝日のため4日まで入院することになりました。
4日の夕方、ザワザワした気持ちを抱えながらかりんを迎えに行きました。
点滴によって電解質異常は改善したのですが、腎臓の数値は期待したほどの改善がみられず
腎臓以外の数値も非常に高くなっていました。
慢性腎臓病末期の尿毒症による、いわゆる多臓器不全。
かりんの身体は、もうこれ以上はないくらいの限界に達していたのです。
「厳しいことを言うようだけど、もう、そろそろ…だよ」とドクターが静かに言われました。
かりんにしてやれることはもう何もなく、あとはそばにいて見守るだけとなりました。
我が家に連れて帰り、いつもいる和室に寝かせたら、自宅に帰ってきたのがわかったのか
それまで閉じていた目が少し開いて、母さんたちの声にちょっぴり反応しました。
寂しくないよう和室からリビングのテレビの前に移動し、母さんたちのそばに寝かせました。
口をモゴモゴさせるのでシリンジで水を垂らすと少しだけ飲み、「ふわぁ~」と大きな欠伸を2回。
その姿にいつものかりんを見て、大いにホッとした母さんたちでした。
夜10時半、いつものようにかりんの横に布団を敷き、寝転がって目線を同じくして見守ります。
かりんの顔を見つめつつも、心臓が動いているかどうか、常に身体の上下動を気にしています。
こちらを見ているかのように目を少し開けて、とても穏やかな顔をしているので
母さんはいつしか眠ってしまいました。
翌日5日の午前3時前、パッと目が覚めましたが、かりんに変わりはなく薄目を開けたまんま。
口をモゴモゴさせたので水を少し垂らすと、ゴクンと大きく喉が動き水を飲んだようでした。
が、次の瞬間、茶色を帯びた黄色の液体を大量に吐き、苦しそうに口をカッと開けました。
その後、胸の上下動が確認できなくなったので、いよいよ…と思いKちゃんを起こしました。
しかし、Kちゃんの声が聞こえたからなのか、再び胸が動き始めて落ち着いた様子になりました。
この日は仕事だったのですが、母さんが帰ってくるまで頑張ってくれるかわからないので
後悔しないよう仕事を休むことに決めました。
午前9時頃、2階でパソコンに向かう母さんの部屋に連れて上がりました。
静かな呼吸で、薄目を開けたまま横になっています。
母さんは、数十分おきにかりんの横に寝そべっては話しかけ、撫でたりしながら過ごしました。
かりんの鼻先から聞こえてくるのは、規則正しく静かな息遣い。
命が尽きようとしているなんて、悪い夢をみているのではないかと思ってしまうような
穏やかで優しい寝姿でした。
睡眠不足で午後からは酷い眠気に襲われ、かりんと「頭をこっつんこ」して横になると
母さんはしばらくうつらうつらしてしまいました。
午後3時40分頃、口をモゴモゴさせたのがわかったのでシリンジで水を垂らしてやると
再び黄色の液体を大量に吐いて、胸の動きがパタリと止まってしまいました。
そして、静かに喘ぐように口を何回かパクパクさせました。
午後3時50分、かりんは母さんが見守る中、旅立っていきました。
この時、母さんの胸に押し寄せたのは、哀しみと同じくらいの安堵の気持ちでした。
かりんは、信じられないくらいよく頑張ってくれました。
本当に本当に…ありがとう。