甘えん坊さん

そばにいる時、かのんは必ずと言って良いくらいこちらに身体をくっつけてきます。
かりんはこういった仕草をすることはほとんどなく、せいぜい病院に行った時くらいでしたから
「こうしていれば安心~♪」と頼られているようで、「また…ですか?」と言いながらも
かのんの体温を感じながら、私たちの顔は思いっきりニヤけてしまいます。

どちらかというと男顔のせいか、「男の子? んっ、女の子…かな?」な~んて
ピンクのハーネスが目に入り、ハタと気づかれることも。

今日は、散歩中の公園で急にゴロ~ンしてKちゃんに甘える…の図。
「オトコガオのワタシだって、ジョシてきにカワイイときもあるんだよ~!」

落ち着く場所

たくさんの保護犬のお世話をしてこられた大先輩である友人にも
また、かのんを診ていただいているドクターや看護師さんにも
ビビリなかのんが、新しい環境でも安心して過ごせるように
「ケージを活用したほうが良い」とアドバイスをもらっていました。

そこで、かりんが使っていたケージを再び登場させることに。
家の中をあっちこっち移動して、自由に過ごしていたかりんですが
留守番をさせる時に、ケージの中に入れていた時期もありましたし
何もなくても、気が向くと自分から入って横になっていたりもしました。

さて、かのんはどうでしょう。

こちらの心配をよそに、かのんは割とすぐにケージが気に入ったようで
日中のほとんどを、この中でのんびりと過ごしています。

呼べばのっそりゆっくり出てきて、ボールで遊んだり撫でたりしますが
私たちがそばから離れると、再び自分からケージの中へ入っていきます。

どうしても、ケージは「閉じ込める」というイメージがあるようですが
かのんにとっては、くつろげる安心安全な空間となっています。
環境に慣れてもきたのでしょうが、ケージを使うようになってからは
より落ち着いていられるようになった感じがします。
そして、ケージの内と外で【ONとOFF】を自分で切り替えている気がします。

かりんとは違って、今過ごしている和室だけがかのんの安心な領域ですが
はてさて、半年先、1年先にはどうなっているでしょうか。
領域を広げているかもしれないし、広がっていないかもしれませんが
いずれにしても、かのんが落ち着いていられることが一番だと思っています。

ご同類対応

かりんはご同類が苦手でした。
穏やかそうな見た目とは裏腹な、かりんの威勢の良いガゥガゥを
愛犬と一緒に会ってくださった方は思い出しておられるかもしれません。

そんなかりんとは対照的に、かのんはご同類が大好きで
散歩中などにご同類を見かけると、テンションが上がります。

こんなふうに後足で立って、前足で「おいでおいで!」します。
この姿に、先方の飼い主さんは笑顔になってくださいます。

場面によっては、恐怖や不安を感じた時に自分と相手の緊張を解そうとする
ボディーランゲージ(カーミングシグナル)でもあるそうですが
かのんの場合は、ただ単にそばに行きたいだけのように思えます。

実際、そばに寄るとお互いにクンクンして平和的に挨拶します。
普通に犬同士の挨拶ができるなんて、かりんではあり得なかったことで
かのんの「良いところ」のひとつです。

<アルストロメリア、マトリカリア、ユーカリ>

当たり前と言えば当たり前ですが、かりんの魅力、かのんの魅力は
それぞれに、面白いくらいまったく違います。
私たちにとって特別な犬…であるかりんの存在は変わらずそのままですが
そこにかのんが加わったことで、犬との暮らしは更に深みを増しそうです。

ご飯事情

環境が変わり、かのんがご飯を食べてくれるかどうか心配しましたが
我が家に来た日の晩ご飯、翌日の朝ご飯は気持ちの良い食べっぷりで
幸先の良いスタートとなりました。

…が、喜んだのも束の間、それ以降は最初のように勢いよく食べなくなり
一日の必要量の半分ほどしか食べない日が、しばらく続きました。

こうなると、あれこれ世話を焼きたくなるところではありますが
ご飯を置いたままにしておくことは良くないとわかっていたので
「食べている・いない」に関わらず、30分ほどで撤収するようにしました。

「ある時に食べておかないと、なくなっちゃう」
かのんがそう思ってくれたかどうか定かではありませんが
そうこうしているうちに、やっと食べてくれるようになりました。

「ご飯を食べてくれる」当たり前のような日が2日ほど過ぎたあたりで
あろうことか、またまた食べなくなってしまいました。
この時点で、かのんが我が家に来てから4週間になろうとしていました。

ドクターに相談したら、「今は規則的に食べる習慣をつけることが大事」なので
缶詰(療法食ですが嗜好性が高いらしい)を混ぜて様子を見ることに。
そして、この缶詰を混ぜた途端、朝夕共に完食するようになりました。
朝夕のご飯を食べるという習慣が完全に定着してきたと思えるあたりで
かのんには気づかれないように、缶詰はフェードアウトしていくつもりですけどね。

我が家にかのんが来た時、体重は9.4kgありました。
かりんより身体が一回り小さいのに、9.4kgは明らかに【ちょいポチャ】でした。

でも、1か月経った今は8.4kgまで落ちて、ほぼ適正体重となりました。
普通、ダイエットさせるのはそう容易いことではないと思いますが
結果的に、かのんが自分でダイエットした(?)ことになっちゃったのでした。
「食べた・食べない」と一喜一憂し、紆余曲折はありましたが、結果オーライ?!

受け継がれるもの

超ビビリ?で、想像以上に私たちを手こずらせてくれているかのんではありますが
一瞬、ビビリだということを忘れさせてくれる時もあるのです。
それは、ボールで遊んでいる時です。

前足でホールドしたつもりが、弾かれて跳んでいったボールを必死になって追いかけます。
その姿には、ビビリのビの字もありません。

実は、かのんの前足にのっかっている白いボールは、かりんに初めて与えたオモチャです。

押さえるとピーピー鳴るボールで、笛の部分はあっという間に壊されてしまいましたが
音が鳴らないままの状態でも、そこそこ楽しんでくれていました。
そして、かりんが見向きもしなくなってからも、何となく捨ててしまう気になれなくて
思い出の品としてオモチャかごに入れたまんまにしていました。

<本日のかりん:1歳>

かりんは、このボールを強く噛んでしまうことなく遊んでいたので
笛の部分は壊れても、ボールの部分は無傷でした。
でも、かのんは遊び方が激しくて、とっとと穴を開けてしまいました。

それでも、こうしてかりんからかのんへと受け継がれるものがあるというのは
思い出に再びの命が吹き込まれたようでもあり、胸が温かくなります。