母さんはかのんが可愛くて可愛くて仕方ありません。
その気持ちがこぼれ出るので、「可愛いねぇ♪」「イイ子だねぇ♪」と
一日に何度も何度も、かのんに言わずにはいられません。
でも、かのんを可愛いと思えば思うほど、かりんに申し訳ないような
ちょっとせつない気持ちが湧いてきます。
なぜなら、今、かのんを愛しいと思っている気持ちが
かりんを愛しいと思っていた気持ちを超えようとしている気がするからです。
そして、かのんの仕草や行動を見てかりんを思い出すことはあるけれど
ほんのほんの少しずつ、その思い出の彩度が落ちていっていることに
漠然とした焦りのようなものを感じています。
<かりん:3歳>
かりんとの思い出が、かのんとの日々で上書きされてしまうことは決してないけれど
今ここにいるかのんの存在はとてつもなく大きく、その尊さを思い知らされる毎日です。
そんなこんな思いながら、母さんにとっての犬との暮らしはかりんからかのんへと繋がっていき
かりんとかのんはその時々で、母さんにとって「一番!」だということに間違いはありません。