隙だらけ

施設に入所している母は、二度の手術入院の後、驚くほどの回復力を見せてくれました。
以前のようにお喋りもするし、介助や見守りがいるものの自力歩行もできるようになりました。
しかし、元気に動き回れるようになったことで新たなる心配ごとや悩みごとが浮上してきて
急に帰省しなくてはならなくなったりと、何となく落ち着かない日々を過ごしています。

日常生活での直接的な介護はなくなり、私の負担やストレスはぐーんと軽くなったものの
直接的ではないからこそのもどかしさや焦りが、常につきまとっている気がしていて
「施設入所が決してゴールではなく、それで介護が終わりということではない」
以前、何かで聞いた言葉をしみじみ思い出している昨今です。

そんなこんなで、気持ちが少しばかり低空飛行になってしまいがちな母さんなのですが
このお方はいたってマイペース。

今夜も、母さんの掛布団の上のど真ん中で、豪快なヘソ天。
「あのぉ、邪魔なんですけど」

近寄ってみたら、口が半開きの上に舌がチロリと覗いています。
かのんは、いつでもどこでも隙だらけ。
「隙がある」とは、普通はあまり良い意味では使われない言葉だけれど
「隙がある」ところに和みや親しみを感じちゃいますよね。

これを自然にやってみせている(?)かのんは、意外と凄い?!

たまらん!

床にペタンと座った母さんが、黙々とスマホをいじって(ゲームですけど)おりました。

すると、背後でくつろいでいたかのんが、ごくごく自然にこ~んなことを。

くぅぅぅ~っ!!
これだから、かのんってヤツは可愛くて可愛くてたまらんのです。

たる~ん

何だか、かのんは室内で寝転がっている画像ばかりな気がしていますが
実際、寝転がっていることが多いので仕方ありません。(…と言い訳)

今日は、いつにも増して背中のたるみ具合が顕著です。
ついつい手でつまんでみたり、こうしてカメラを向けてみたり。

かりんに比べると毛足が短いせいもあって、たるみが余計に目立つのでしょうけど
このたるみに、妙に親近感や安心感を抱いてしまう母さんなのでした。

ちょっと邪魔

どど~ん!!
かのんが、母さんの布団のど真ん中を占拠しています。

同じ布団の上でも、枕の近くで横になってくれていたら問題ないけれど
これでは母さんの寝る場所が確保できません。

こんな時は、かのんに身体をじわじわ寄せて端のほうへ移動させます。
すると、「ぐぅぅぅ~っ」と文句たらたらな声を出すこともあるけれど
ここは母さんの場所なので容赦しません。

このまんま、羽根布団を掛けて「おやすみ」
でも、そのうち暑くなってしまうのか、布団の中からおもむろに脱出し
掛布団の上でクルクル回りながら…どっこいしょ。

そこでもさり気なく、母さんの脚にもたれかかるのでした。
「う~ん、ちょっと邪魔」と思いつつ、幸せの重みを感じています。

犬それぞれ

寒かろうが暑かろうが、週末になるとどこかの公園に連れて行っていたかりんですが
かのんに対しては、「ちょっと手抜きでは?」と自分でもチラッと思ってしまうくらい
スペシャル散歩に出掛けることは滅多にありません。

これは差別しているわけではなく、かのんが車に乗って出掛けるのが好きではないからで
車で出掛けることが、かりんみたいに楽しいことと結びついていないのです。
それなら、「楽しい!」と結びつくよう頻繁にお出掛けすればよいのかもしれませんが
「そこまでしなくても、まぁいいか」という気持ちが少し勝っているようです。

かりんは「車大好き!お出掛け大好き!」だったので、何がなんても出掛けなくっちゃ~と
強く思っていた感じがあるけれど、かのんについては、無理せず自然に…と思っています。

さて、年末以来の、いつもとは違う場所での散歩に出発。
車に乗せると、しばらくは緊張した面持ちでガタガタ身体を震わせているのですが
ある程度の距離を走ると、やっとのことで少し落ち着いた感じにはなります。

そして、目的地に到着すると、あっちこっち走り回りながらクンクン。
そう、散歩そのものはすこぶる楽しいようです。

同種であっても、驚くくらい犬それぞれ。
好きなことや苦手なこと、平気なことや怖いことも違います。
それは当然のことなのでしょうが、改めて思い知らされた気がします。
でも、だからこそ、それぞれの魅力を愛しみながら味わっています。