スリッパの受難

母さんのスリッパを片手に持ち、かのんを遊びに誘ったのがいけなかったのです。
そうです、きっかけを作ってしまったのは母さんなので自業自得です。

左のスリッパはお友だちからいただいたもので、爪先がボロボロ。
向かって右の茶色のスリッパは一見無傷に見えると思いますが
決してそうではありません。

ほらね、これは裏がボロボロになっています。
この茶色のスリッパは2足目なのですが、2足ともやられちゃいました。

以前は、そこらにスリッパを脱ぎっぱなしにしていても、まったく見向きもしなかったのに
今はうっかり床に置いておくと、ほぼ確実に齧られてしまう運命です。
なので、脱いだスリッパはかのんの手(口)の届かないところへ避難させなければなりません。

しかし、災難に遭うのは母さんのスリッパだけで、なぜかKちゃんのスリッパは無傷。
かのんの中で、遊んでいいのは母さんのスリッパだけと決まっているようです。

懐かしの場所へ

かのん地方のソメイヨシノは満開を過ぎ、ほぼ葉桜になってしまいました。
それでも、いくつか残っている花は、吹き抜ける風に乗ってひゅっと遠くへ飛んでいったり
はらはらと舞い落ちたりしています。

週末、山手に向かった隣市にある公園に出掛けました。
ここも何度となくかりんと訪れた場所。
ソメイヨシノが植えられている、本当に小ぢんまりとした公園で
桜祭りの名残のぼんぼりが、そのままになっていました。

桜の花びらの絨毯は、かなり色あせてしまっていたのですが
それを補って余りあるかのんの笑顔です。

さて、この公園の近辺に、かのんが生まれ育った犬舎があります。
ふと思い立ち犬舎の近くまで行き、道沿いに車を停めて車中から見たら
3頭の柴犬がこちらをじっと見つめていました。
その姿を見ながら、「2年ほど前までは、かのんはここにいたんだ」と
かのんを迎えに行った時を思い出し、感慨深い思いに浸りました。

当のかのんは車の中にいたせいか、懐かしの場所にも気づいていない様子。
何らかの反応を期待した反面、忘れているくらいが良いとも思いました。
「いまがイチバン!」って、思ってくれていると信じたい。

三度目の桜のトンネル

一気に暖かく(暑いくらいの日も)なったと思ったら再び寒くなったりと
気温の上がり下がりが激しかった3月。
桜がいつ頃満開になるのか、天気予報とにらめっこする毎日でした。

我が家の春の恒例行事になっている、桜のトンネルでの撮影会。
満開の桜、お天気、母さんの休みという三拍子が揃わなくてはならず
先週は雨の日があったので、いつにしようかとドキドキしていました。
そして、昨日、桜のトンネルへと足を運ぶことができました。

ソメイヨシノはちょうど満開でした。
花曇りで日差しが弱かったのですが、薄桃色の桜の花にほんわかと包まれて
ここだけ優しく照らされているようでした。

かのんは、今回で三度目となる桜のトンネル。
当然の如く、桜なんてそっちのけで地面のほうが気になります。

午前中の早めの時間だったこともあって、母さんたち以外は誰もおらず
今春も貸し切り状態で桜を愛でることができました。

最初の年は、初めてだらけで下がりっぱなしだったかのんの尻尾も
今年はしっかり上がっています。
遠くを見つめる表情にも余裕が感じられます。

かりんとの思い出がいっぱい詰まった、この場所。
かのんとの思い出も、毎年毎年積み重ねられていくことでしょう。

健康診断 -2024年-

ここ数か月、かのんは食欲旺盛でとっても元気だったので、特に病院へ行く必要もなくて
気がつけば、前回の受診から9か月が経っていました。

晩年のかりんが、ほぼ毎週のように病院へ行って補液をしたり薬をもらっていたせいか
病院へ行かなくてもよい期間が長くなってくると、何か大切な用事を忘れているのではないかと
何となく心配になってくるから、不思議なものです。

かりんは初めての犬だったので、母さん自身の経験も知識も少なかったことが影響していたのか
それほど不安や心配を抱えることなく、健康診断に臨むことができていた気がします。
でも、かのんについては育ってきた環境などを考えると、どうしても不安が先行してしまいます。

さて、今年も健康診断の時期がやって来ました。
いつものように、体重・体脂肪・血圧測定、血液検査、レントゲン検査、超音波検査のフルコース。

我が家に来て初めての健康診断で指摘された、心臓の僧帽弁逆流や三尖弁・肺動脈弁の逆流は
確認されず、心臓の状態は問題なしとのことでした。

ただ一つ、数値異常として引っかかったのが、前回も著しく上昇していたALT(肝酵素)。
昨年の健診後、原因のひとつと考えられるフードを変えてみたのですが効果はなかったようで
肝臓保護剤を1か月服用して経過を見ることになりました。

そして、今回のかのんの体重は9.5kg。
昨年の健康診断の時は9.2kgでしたから、少しばかり太ってしまったのですが
ドクターから「これくらいでいい」と言われたので、体重に関しても安心することができました。

「以前と比べて、ずいぶん顔つきが優しくなりましたね」と婦長さんに言ってもらって
「そうですかねぇ」とサラリと答えつつ、母さんの顔はニヤけてしまいました。

2回目の家族記念日

かのんを家族に迎えてから丸2年が経ちました。
超ビビリ?っぷりと不思議ちゃんっぷりに動揺しっぱなしだったせいか
最初の1年は長く感じましたが、2年目はあっという間だったような。

1年を過ぎた頃から、日常生活で必要なことや物にもだんだん慣れてきて
本当の意味で「うちの子」になったような気がします。
ですから、2年目は共に過ごす幸せを強く感じながらの日々でした。

今まで何度も書いてきましたが、かりんかのんは見事なくらい対照的。
自立心の強かったかりんは甘えてくっついてくることは皆無に近く
愛らしい見た目とは違い、非常にドライな性格でした。

そんなかりんとは正反対に、かのんは本当によくくっついてきます。
そうすることが当たり前であるかのように、ごくごく自然な感じで
母さんやKちゃんににじり寄ってきてピトッ!

そう言えば、我が家に来て間もない夜のこと。
母さんは、かのんのケージを置いた部屋に布団を敷いて寝ていたのですが
電気を消してしばらくすると、警戒しながらもケージから出てきました。
そして、たまたま布団から出していた母さんの手に
かのんがそろ~っと遠慮がちに顔をくっつけて眠り始めたのでした。
元来の甘えん坊さん気質だったのでしょう。

母さんの心の中を読んでいるかのように、始終くっついてくれるかのん
「○○だったらいいなぁ」と、かりんに対して思っていたことすべてを
叶えてくれていると言っても過言ではないかもしれません。

毎日「かのん♪可愛い、かのん♪イイ子」と、数えきれないくらい連発しています。
そう言わずにはいられないくらい、かのんが可愛くて仕方ありません。

母さんは大きな声で言います。
かのんを迎えて本当によかった!
かのんでよかった!